CHEC-TIE—よい医師—患者関係づくりのために・24
患者が気になっていた問題を洗いざらい話してきたとき
箕輪 良行
1
,
柏井 昭良
2
,
竹中 直美
3
1自治医科大学大宮医療センター総合医学第2
2自治医科大学看護短期大学
3日鋼記念病院医学情報部
pp.2266-2267
発行日 1998年12月10日
Published Date 1998/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909461
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症例:夫の看病を前に四肢痛,脱力を訴える妻
ナカジマさんは61歳の女性で,長く腰痛,四肢痛,脱力感で悩んでいた.1年半前に65歳の夫が脳出血で倒れリハビリ病院に入ったのを,父親と同じ税理士事務所で働く息子と娘の3人で看病してきた.自宅へ戻るめどが立ち,新しく購入したマンションも改装して,夫の在宅介護が始まった.ナカジマさん自身も高血圧と肩関節周囲炎で7年近く治療してきた.「夫は市の税理士会長をやったりして,頼まれると何でも引き受けるんです.後始末は全部私なんですよ.朝からゴルフへ出掛けて夜になっても帰らないので心配していたら,酔っぱらって車を運転してくるんです.わがままで外面ばかり良くて,私が苦労しても平気なんですから」
強い父親と葛藤のあった息子が結婚詐欺の被害にあい,独立して事務所を開くといって父と衝突した.事務所を手伝い母を支えてきた娘は婚期が遅れ,高齢での初産が重なった.
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