増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集
細菌検査
検体別同定検査各論
便検査
坂本 光男
1
,
相楽 裕子
1
1横浜市立市民病院感染症部
pp.693-695
発行日 1999年10月30日
Published Date 1999/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402906533
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腸管感染症の診断に際して,糞便の細菌学的検査は顕微鏡検査と併せて必要不可欠であるが,これらの検査が常に行われるとは限らない.この理由として,腸管感染症はチフス性疾患を除いて自然治癒傾向が強い一方,原因菌分離までには少なくとも2日間,場合によっては数日間を要し,この間すでに症状が軽快していることが多いこと,近年では細菌性赤痢,チフス性疾患などは著しく減少したこと,原因菌の検出頻度が必ずしも高くないことなどが挙げられる.しかしながら,腸管感染症は食品・水媒介感染症として集団発生する可能性が高いため,症状ばかりでなく,患者背景を十分問診し,状況に応じて糞便検査を行う必要がある.
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