増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集
細菌検査
検体別同定検査各論
細菌尿検査
松本 哲朗
1
1産業医科大学泌尿器科
pp.688-690
発行日 1999年10月30日
Published Date 1999/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402906532
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
尿路感染症の診断
尿路感染症の診断は,症状・所見および膿尿・細菌尿の存在により行われる.膿尿は,無遠沈尿を用いた検体で10個/mm3以上の場合有意とするが,遠沈尿を用いた場合は5個/HPFとしている.細菌尿は尿の定量培養が基本であり,104ないし105CFU/ml以上の場合に有意としているが,急性膀胱炎では103CFU/ml以上でも,膿尿や症状のある場合は有意としている.細菌尿は菌数とともに菌種の同定が重要であり,培養同定が必須となる.
細菌尿の迅速診断としてテストテープ法が用いられている.細菌の硝酸還元能を利用したもので,定性検査となる.この場合,硝酸還元能の少ない細菌,特に腸球菌などのグラム陽性球菌は偽陰性となるので注意が必要である.また,尿沈渣を用いた検鏡法も手軽な検査法となるが,感度が低い欠点がある.さらに,膿尿や細菌尿も自動分析装置により検査が行えるようになっている.
Copyright © 1999, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.