増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集
内分泌学的検査
副腎
血中・尿中カテコールアミン
猿井 宏
1
,
安田 圭吾
1
1岐阜大学医学部第3内科
pp.478-479
発行日 1999年10月30日
Published Date 1999/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402906432
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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
1.カテコールアミン(CA)の産生・分泌
CAは主に脳,副腎髄質および交感神経に存在する.生体にはドーパミン(DA),ノルアドレナリン(NA),アドレナリン(A)の三種のCAがある(図1).CAは副腎髄質および交感神経節で産生され,恐怖,痛みなどのストレス時に多量に産生される.
2.CAの作用
NAの前駆物質であるDAは,それ自体中枢神経系での神経伝達物質として働き,下垂体に対しては,プロラクチンの分泌を抑制する.また,腎循環系などに作用を及ぼす.NAは多くの臓器でα1受容体を介し血管収縮作用を示し,血圧を上昇させる.Aは主としてβ1受容体と結合し,血管拡張,脈拍数,心拍出量増加をきたす.またCAは,肝臓でのグリコーゲン分解,糖新生の促進,脂肪組織での脂肪分解の促進,膵臓におけるインスリン分泌抑制,グルカゴン分泌促進を介して,血糖値,遊離脂肪酸値を上昇させる.
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