増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集
内分泌学的検査
副腎
血中・尿中カテコールアミン
中井 利昭
1
1筑波大学臨床医学系臨床病理
pp.402-403
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909875
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検査の目的・意義
カテコールアミンとしてアドレナリン,ノルアドレナリン,ドーパミンの3分画が測定される.アドレナリンは副腎髄質より分泌され,血中を流れて各効果器官に作用を及ぼすので循環ホルモンである.ノルアドレナリンは大部分が交感神経からのもので,副腎由来のものがわずかに(2〜3%)加わる.アドレナリンとノルアドレナリンはα,β-受容体への刺激効力が異なるので,アドレナリンは心臓賦活作用,糖や脂質に及ぼす作用が強く,一方,ノルアドレナリンは血圧上昇作用が著明である.ドーパミンはノルアドレナリン,アドレナリンの前駆物質であるとともに,それ自体中枢神経系,腎循環系などに作用を及ぼす.
副腎髄質や交感神経終末から分泌されたカテコールアミンは,各作用臓器に取り込まれ作用を発揮したのち,代謝され尿中に代謝産物が排泄される.すなわちアドレナリン,ノルアドレナリンそのまま,メタアドレナリン,ノルメタアドレナリン,VMA,MHPG(MOPEG),DOPEG,DOMAなどである.この中で検査としては尿中アドレナリン,ノルアドレナリン,メタアドレナリン,VMAがよく測定されている.
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