増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集
内分泌学的検査
副腎
アルドステロン
内田 健三
1
1金沢医科大学内分泌内科
pp.476-477
発行日 1999年10月30日
Published Date 1999/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402906431
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異常の出るメカニズムと臨床的意義
レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系はフィードバック機構を形成し,血圧,体液のホメオスターシスを維持している.アルドステロン分泌異常は,血圧,レニン,Na-K代謝,体液の異常をきたし,レニン分泌異常はアルドステロン分泌異常をきたし,Na-K代謝,体液の異常はレニン,アルドステロン分泌に影響を与える.したがって,血漿レニン活性と同時に測定する場合が多い.原発性アルドステロン症では副腎病変(腺腫,過形成,癌)により増加する.稀なものではあるがアルドステロン以外の鉱質コルチコイド増加では,体液量増大,レニンおよびアルドステロン減少を伴う.これらはいずれも低カリウムと高血圧を有している.Addison病では低下し,高カリウム血症を伴って,血漿レニン活性は増加する.常用薬(降圧薬,ピル)あるいは腎血管高血圧ではレニン分泌亢進を伴って増加する(二次性アルドステロン症).糖尿病などの腎実質病変では低レニン性低アルドステロン症をきたす.水-Na貯留による体液量増大(減少)では,血漿レニン活性は減少(増加),アルドステロンは減少(増加)する.
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