特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第7集
内分泌学的検査
副腎
血中・尿中カテコールアミン
磯部 和正
1
1筑波大学臨床医学系臨床病理
pp.341-342
発行日 2005年11月30日
Published Date 2005/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402101823
- 有料閲覧
- 文献概要
異常値の出るメカニズムと臨床的意義
副腎髄質由来の腫瘍である褐色細胞腫,神経芽腫ではカテコールアミン合成酵素遺伝子の発現が高まっており,その結果,カテコールアミン産生が亢進している.褐色細胞腫,神経芽腫の腫瘍組織においては,カテコールアミンが種々のフィードバック調節を受けずに合成されている.その結果,カテコールアミンが腫瘍より放出されてしまい,血中カテコールアミンが高値となり,高血圧などのさまざまな症状を呈することになる.
褐色細胞腫では,アドレナリンおよびノルアドレナリンを優位に産生するものや,ノルアドレナリンを優位に産生するもの,稀にドパミンを優位に産生するものがある.カテコールアミン代謝物〔メタネフリン,バニリルマンデル酸(vanillylmandelic acid:VMA)など〕の産生が亢進しているものもある.神経芽腫ではノルアドレナリンが著増し,ドパミンも増加する.
Copyright © 2005, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.