iatrosの壺
1文字違いの薬剤処方で感謝された一事例
野津 和巳
1
1島根県立中央病院内分泌代謝科
pp.523
発行日 1996年11月30日
Published Date 1996/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402905772
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一般の臨床内科医が日常使いきれる薬剤の数は以外に少ない.200前後の薬剤が無理なく使いこなせれば内科医としては優秀であると聞いたことがある.医師は生涯学習が必要であることは言うまでもないが,新しい薬剤が出てくるたびに,その薬理作用,副作用,用法,用量さらには配合禁忌まで記憶して,無理なく使いこなすのはなかなか難しい.時に外来の代診を依頼されたりすると,他の医師の処方が,自分の通常処方する薬とかなり異なっていることによく気がつく.年配の医師の代診に立ったときなど,古い薬を使っておられるなと思うことが多々ある.その一方で,若い医師の代診のときは逆に知らない薬が多数処方してあったりする.それはそれでいろいろ勉強にはなるが,患者さんにとってどの処方がはたしてよかったのか,実際にはよくわからない.極端な場合には,あってはならないことであるが,間違えて処方した薬剤が有効であったことも稀に経験する.1文字違いの薬品で経験した薬剤有効例を紹介する.
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