甃のうへ・第69回
感謝
森井 和枝
1
1国際医療福祉大学成田保健医療学部
pp.814
発行日 2019年8月15日
Published Date 2019/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201633
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1966年に日本初の理学療法士が誕生し,はや半世紀が過ぎた.私が理学療法士になった頃は「獲得困難職種」とされ,就職支度金まで支給された.それが,今や年間1万人もの有資格者が誕生する状況となった.必要性の高まりはありがたいが,現状においては希望する職場に就職することも容易ではないだろう.私は先輩の誘いもあり,リハビリテーション専門病院に就職した.さまざまな疾患について経験し学修する機会を得ることができた.研究部門もあり,設備も充実していた.3次元動作解析装置など最新の計測機器があり,研究員の方には研究方法の立案や装置の修正まで相談し,協力していただけた.本当に恵まれた環境で理学療法士を続けることができた.そして,結婚,妊娠と,特別扱いされるのが嫌で,移乗介助などもひとりで頑張った記憶がある.職業人として性別を超えて対等であるべきという考えが,自分の根底にあった気がする.
現在,内閣府で推進している「ワーク・ライフ・バランス」という事業がある.最近では,バランスというとどうしてもシーソーの関係となり,仕事と生活の調和を図るためには「統合」,つまり「ワーク・ライフ・インテグレーション」という考え方が適切ではないかとの意見もある.いずれにせよ,言葉でいうより簡単ではない.
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