今月の主題 炎症性腸疾患治療のジャイアント・ステップス
IBD治療の基本薬
サラゾスルファピリジン—これからも標準薬か
小林 清典
1
,
勝又 伴栄
1
,
五十嵐 正広
1
1北里大学東病院消化器内科
pp.1495-1499
発行日 1996年8月10日
Published Date 1996/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402905218
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ポイント
●Salazosulfapyridine(SASP)は,sulfapyridine(SP)と5-aminosalicylic acid(5-ASA)のアゾ化合物である.
●SASPは,軽症〜中等症の潰瘍性大腸炎に対する第一選択の治療薬であり,大腸病変主体のクローン病においても有効性が確認されている.
●SASPは,副作用の発現頻度が高いことが問題である.SASPのなかで,非特異的抗炎症作用を有する5-ASAが有効成分とされ,副作用の多くはSPによるものと考えられている.そこでSPを除いた5-ASA製剤が開発され,SASPと同等の治療効果が確認されている.
●今後5-ASA製剤は,SASPの不耐例のみならず,軽症から中等症の潰瘍性大腸炎およびクローン病の治療に活用されていくものと考えられる.
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