臨床室
サラゾスルファピリジン内服開始後に無顆粒球症を呈した関節リウマチの1例
刀根 慎恵
1
,
若林 弘樹
,
長谷川 正裕
,
藤枝 敦史
,
須藤 啓広
1三重大学 大学院整形外科
キーワード:
Sulfasalazine
,
X線診断
,
顆粒球減少症
,
関節リウマチ
,
経口投与
Keyword:
Administration, Oral
,
Agranulocytosis
,
Arthritis, Rheumatoid
,
Radiography
,
Sulfasalazine
pp.342-345
発行日 2014年4月1日
Published Date 2014/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2014223457
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52歳女。頸部痛および多関節痛を主訴とした。血液生化学所見では白血球数(WBC)およびCRPが軽度上昇し、リウマチ因子および抗環状シトルリン化ペプチド(CCP)抗体は高値を示していた。早期関節リウマチ(RA)の診断でサラゾスルファピリジン(SASP)500mg/日投与を開始し、3週後の外来受診でWBC、好中球数およびCRPは正常化し関節痛も著明に軽快したため治療を継続した。SASP開始から7週後にWBCが1450/μlと低下し、視算分類で顆粒球数50/μlと著明な低下を認めたため無顆粒球症の診断で緊急入院し、SASPの中止と顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)製剤および予防的抗菌薬・抗真菌薬投与を行った。好中球数が改善したため入院6日目にG-CSF投与を中止し、入院11日目に退院した。退院後に好中球数減少は認めなかったが、関節炎が再燃したためメトトレキサート投与を開始した。
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