今月の主題 肝疾患Q&A
肝疾患の診断
画像診断で肝細胞癌と境界病変の鑑別はどこまで可能か
川森 康博
1
,
松井 修
1
,
高島 力
1
1金沢大学医学部放射線医学
pp.472-474
発行日 1996年3月10日
Published Date 1996/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904995
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ポイント
●肝細胞癌の診断には,まずUS,CTなどで被膜形成やモザイク構造をとらえることが重要であるが,これらを描出できない場合,非特異的所見を呈する境界病変との鑑別は難しい.
●Dynamic CT, DSA(digital subtraction angiography)などによる早期(動脈性)濃染像の確認が肝細胞癌の診断に重要であり,境界病変では通常,早期(動脈性)濃染像を認めない.
●結節内門脈血流とMRI T 2強調像での信号強度の評価も肝細胞癌と境界病変の鑑別に有用であり,悪性度が増すに従い結節内門脈血流は減少し,T2強調像での信号強度は低信号から高信号へと変化する.
●今後,MRI用網内系造影剤などを用いて,機能的な面からもアプローチができる可能性がある.
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