今月の主題 肝疾患Q&A
肝疾患の治療
肝細胞癌の非外科的治療はどこまで可能か
椎名 秀一朗
1
,
今村 雅俊
1
,
加藤 直也
1
1東京大学医学部第2内科
pp.532-535
発行日 1996年3月10日
Published Date 1996/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402905012
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ポイント
●肝細胞癌では,多発性病変や合併する肝硬変などのため切除可能例は限られている.
●肝細胞癌では根治的切除が行われても,latent metastasisや異時性の多中心性発癌により,5年以内に70〜90%の症例で残肝再発がみられる.
●現在,PEITは小肝細胞癌の治療では外科的切除と同等の評価を得るまでになってきており,リスクのない症例でも外科的切除ではなくPEITを選択する施設が増えている.
●以前は,PEITの適応は病変数3個以下,最大径3cm以内といわれてきたが,最近では種々の工夫により適応拡大の傾向にある.
●それぞれの施設で各種治療法に得手不得手があるため,切除可能例にどこまで非外科的治療を行うかは各施設ごとに判断すべきである.
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