今月の主題 日常臨床にみる水・電解質と酸塩基平衡
酸塩基平衡とその異常
腎尿細管性アシドーシスの鑑別診断
野々口 博史
1
,
中山 裕史
1
,
冨田 公夫
1
1熊本大学医学部第3内科
pp.914-916
発行日 1997年5月10日
Published Date 1997/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904515
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ポイント
●腎尿細管性アシドーシス(RTA)は,低K性の1,2型と高K性の4型とに分けられる.
●障害部位では,近位尿細管の2型,遠位尿細管の1,4型に分けられる.
●1型は集合尿細管での尿酸性化障害による尿中NH4排泄減少で,代謝性アシドーシスをきたす.
●2型は,近位尿細管でのHCO3-再吸収障害による代謝性アシドーシスであるが,アシドーシスが強くなると尿中へのHCO3-の漏出はなくなる.
●4型は,遠位尿細管でのアルドステロン作用の不足により,尿中へのH+,K+排泄障害から,高K性代謝性アシドーシスをきたす、
●HCO3-補給での治療で,2型ではアシドーシスの補正とともに尿中にHCO3-が漏出するので,1,4型に比べて大量投与が必要である.
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