今月の主題 水電解質・酸塩基平衡の調節とその異常
特殊な病態に関する話題
尿細管性アシドーシスの障害部位と障害機序
冨田 公夫
1
,
寺田 典生
1
,
野々口 博史
1
1東京医科歯科大学医学部第2内科
pp.1964-1965
発行日 1994年9月10日
Published Date 1994/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402902965
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ポイント
●尿細管性アシドーシスは近位型と遠位型に分けられ,近位型は炭酸脱水酵素の異常による酸生成障害と,尿細管腔側膜のH+分泌機構の障害によるものとがある.
●近位尿細管腔側膜の障害は他の糖,アミノ酸輸送障害を伴うFanconi症候群を伴うことが多い.
●遠位型では尿細管腔側膜の障害により,H+の逆流過剰やH+分泌機構の障害による場合と,H+輸送の起電力となる電位生成不全,およびH+をbufferするアンモニア産生の低下による場合とがある.
●低アルドステロン症によるものは,高K血症によるアンモニア産生の低下によりアシドーシスをきたす.
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