今月の主題 腎疾患のトピックス
腎疾患の新しい病像
尿細管性アシドーシス
塩路 隆治
1
1東北大第2内科
pp.1142-1143
発行日 1974年9月10日
Published Date 1974/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205565
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定義
物質代謝の結果,体内に生じた酸は,CO2として肺から出される炭酸を除いては,すべて尿細管におけるH+分泌によって排泄される.腎性アシドーシスは機能しているネフロンの数の減少によっても,またネフロン数の減少を伴わない尿細管レベルでのH+分泌障害によっても生じうる.前者は尿毒症性アシドーシスと呼ばれ,GFRの低下が特徴であり,後者は尿細管性アシドーシスrenal tubular acidosis(RTA)と呼ばれ,尿pHの低下障害が特徴である.RTAはその障害部位によって近位尿細管性アシドーシスproximal RTAと遠位尿細管性アシドーシスdistal RTAとに分けられる.
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