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アルコール性肝炎と肝シンチ
山岡 一昭
1
1厚生連北信総合病院消化器内科
pp.501
発行日 1995年11月30日
Published Date 1995/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904177
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アルコール性肝障害は日常臨床でよく遭遇し,多くは禁酒によって速やかに改善する良性疾患である.そのなかで,重症アルコール性肝炎は遭遇することは稀であるが,断酒にもかかわらず肝細胞の再生が起こらず,多臓器不全が進行し,救命しえない場合が多い.
患者は45歳のスナック経営の女性で,20歳頃より4〜6合/日の大酒家,話を聞くと,入院する1週間ほど前から体がだるく,食事を作るのが億劫で,ウイスキーばかり飲んでいたとのことだった.入院時,黄疸,腹水貯留が著明で発熱があり,白血球数16,200/μl(そのうち好中球84%)と重症アルコール性肝炎が疑われた.当時私は研修医で,主任教授は武内重五郎先生だった.オーベンはすぐコロイド肝シンチを撮るように命じた.
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