今月の主題 ウイルス肝炎のトピックス
ウイルス肝炎の病態
肝硬変における肝炎ウイルスとアルコール
武内 重五郎
1
,
蓮村 靖
2
Jugoro TAKEUCHI
1
,
Yasushi HASUMURA
2
1東京医科歯科大学医学部・第2内科
2東京医科歯科大学医学部・内科
pp.1536-1537
発行日 1981年9月10日
Published Date 1981/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217317
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肝の高度の線維増生とびまん性の再生結節形成を形態学的特徴とする肝硬変は,ごく一部の例外を除けば,年余にわたる持続性の肝細胞変性・壊死と再生の反復によって生ずると考えられている.そしてこの慢性的な肝細胞破壊と線維増生の主因として肝炎ウイルス1)とアルコール2)が作用し,さらに個体の免疫応答能の異常を伴った自己免疫機序もまた関与することが近年広く知られるようになった.本稿では,肝炎ウイルスとアルコールが肝硬変の成立にどのようにかかわっているのかに関する最近の考え方を略述する.
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