今月の主題 アルコール性障害のトピックス
アルコール性疾患診断のポイント
アルコール性肝炎
伊藤 進
1
1千葉大第1内科
pp.1378-1379
発行日 1976年10月10日
Published Date 1976/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206778
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アルコール性肝障害として,臨床的にも脂肪肝,肝硬炎のあることは理解されていたが,最近,脂肪肝が直接的に肝硬変へ移行するのではなく,その間に肝細胞の変性,壊死,炎症が存在し,これがアルコール性肝炎として肝硬変へ導きうる病像であるということがわかってきた.当初は急性アルコール性肝炎,あるいはまた,alcoholic steatonecrosis,sclerosing hyaline necrosisなどともいわれていたが,現在では,alcoholic hepatitisが最も妥当性のある術語として用いられてきた.
ここではFogarty international center proceedings No. 221)および筆者らの知見2〜5)に基づいて,その診断基準を概説し,ついで特徴的にみられるアルコール硝子体とこの肝炎の発症機構についても述べたい.
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