今月の主題 ウイルス肝炎1990
そこが知りたいウイルス肝炎最近の知見
ウイルス肝炎とアルコール
戸塚 慎一
1
,
蓮村 靖
2
1横須賀共済病院・内科
2金沢医科大学・総合医学研究所
pp.1504-1505
発行日 1990年9月10日
Published Date 1990/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909569
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慢性肝疾患の成因には肝炎ウイルス,アルコール,自己免疫,薬剤,代謝異常などが挙げられるが,その多くは肝炎ウイルスとアルコールである.肝炎ウイルスに関してはB型肝炎ウイルス(以下,HBV)に加えて最近,非A非B型肝炎ウイルスの大部分を占めると考えられるC型肝炎ウイルス(以下,HCV)の血中マーカーの測定が可能になってきており,慢性ウイルス性肝疾患の成因はある程度明確にされうると期待される.一方,本邦におけるアルコール消費量の増加に伴いアルコール性肝障害の頻度も増加傾向にあり1),両者の関与が考えられる症例に遭遇する機会はおのずと増えているといえよう.本稿では,おもにウイルス肝炎に及ぼすアルコールの影響について最近の考え方を述べる.
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