臨時増刊特集 これだけは知っておきたい診断のポイント
IV.肝・胆道・膵疾患
アルコール性肝炎 VS アルコール性脂肪肝
石井 裕正
1
,
高木 俊和
1
Hiromasa ISHII
1
,
Toshikazu TAKAGI
1
1慶応義塾大学医学部・内科
pp.1940-1941
発行日 1980年11月20日
Published Date 1980/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216822
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なぜ鑑別が問題となるか
一般にアルコール性肝障害は,脂肪肝,アルコール性肝炎,肝硬変に大きく分類される.脂肪肝は臨床的には比較的良性な疾患と考えられるが,アルコール性肝炎は肝細胞壊死を伴い,その反復は肝細胞の再生と結合織の増生を促進し,アルコール性脂肪肝と肝硬変症を結ぶきわめて重要な病態と考えられ,アルコール性肝炎を的確に診断治療することは,肝硬変症への進展の予防を含めて予後決定に重要な役割を果たすと考えられる.
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