今月の主題 心不全診療の新たな展開
大規模スタディは何を教えたか
ザモテロール
堀 正二
1
,
佐藤 秀幸
1
,
尾崎 仁
1
1大阪大学医学部第1内科
pp.1016-1018
発行日 1993年6月10日
Published Date 1993/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402902116
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
●ザモテロールは交感神経β1受容体部分刺激薬であり,内因性交感神経活動の低いときはβ刺激作用を,高いときは遮断作用を発揮する.
●軽・中等症の心不全患者に対しては本薬剤の長期有効性が認められている.
●逆に,重症心不全における臨床試験ではプラセボよりも死亡率が高率であった.そのため,本邦ではザモテロールの開発は中止された.
●重症例で死亡率を悪化させた機序として,これらの患者では内因性交感神経活動が亢進しており,そのためにβ遮断作用が優位に発揮されたものと推察される.
Copyright © 1993, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.