特集 カテコールアミン
心不全患者の運動時血行動態および血中カテコーラミン動態に及ぼすβ1 partial agonist(ICI 118-587)の効果
佐藤 秀幸
1
,
松山 泰三
1
,
尾崎 仁
1
,
福島 正勝
1
,
松本 正幸
1
,
浜中 康彦
1
,
多田 道彦
1
,
井上 通敏
1
,
阿部 裕
1
1大阪大学第1内科
pp.1159-1162
発行日 1984年11月15日
Published Date 1984/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204548
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β受容体作動薬の薬効を評価するために運動時の血行動態に及ぼす効果についての検討が広く行われている。運動時の血行動態は主として交感神経活性の亢進により調節されていること,またβ作動薬は内因性カテコーラミンと競合してβ受容体と結合しその作用を発現することから,β作動薬による運動時血行動態の変化は薬剤固有の効果と交感神経活性の変動との相互関係で規定されると考えられる。
ICI 118-587は新しい心臓選択性β1 partial agonistであり,心不全患者に対する強心剤として期待されている1,2)。本研究では本剤が心不全患者の運動時血行動態および血中カテコーラミン動態に及ぼす効果を検討し,臨床薬理学的特徴を明らかにするとともに,交感神経活性の変動が本剤固有の血行動態上の効果にいかに影響するのかを検討した。さらに本剤により運動時の交感神経活性が変化する機序についても検討を加えた。
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