今月の主題 よくわかる水・電解質と酸塩基平衡
水・電解質異常の診断から治療まで
悪性腫瘍とSIADH
武藤 重明
1
,
浅野 泰
1
1自治医科大学・腎臓内科
pp.808-811
発行日 1992年5月10日
Published Date 1992/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402901500
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ポイント
1)悪性腫瘍患者で低Na血症が認められた場合,SIADHを疑う。頻度が多いのは肺小細胞癌である.また,抗癌剤の副作用で出現することも稀にある.
2)SIADHは低浸透圧血症があるにもかかわらずADHの分泌が持続する病態である.①低浸透圧血症を伴った低Na血症,②持続するNa利尿,③血漿より高張な尿の排泄,④浮腫,脱水がない,⑤腎・副腎機能は正常,などの特徴がある.
3)腫瘍によるSIADHの治療の基本は,原疾患の治療と水制限である.
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