特集 内分泌Up To Date
間脳・下垂体
SIADH
盛田 幸司
1
1帝京大学医学部内分泌代謝・糖尿病内科
キーワード:
抗利尿ホルモン(ADH)
,
希釈性低ナトリウム血症
,
水制限
,
浸透圧性脱髄症候群
Keyword:
抗利尿ホルモン(ADH)
,
希釈性低ナトリウム血症
,
水制限
,
浸透圧性脱髄症候群
pp.2445-2448
発行日 2019年12月1日
Published Date 2019/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika124_2445
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Summary
▪低ナトリウム血症の鑑別や抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)の診断は,一筋縄ではいかないことが多い.生理的な抗利尿ホルモン(ADH)分泌刺激因子は血漿浸透圧の上昇以外にも複数存在し,データ解釈に難渋すること,またADH以外にも有効循環血漿量の調節機構は多数存在し,代償機構として病態を修飾することがその理由である.発症経過(水やNaの出納)の分析や除外診断など慎重な考察が必要となる.
▪SIADHと診断できれば軽症例では水制限,重症例では高張食塩水やfurosemideの併用を行う.その際,急激な補正により浸透圧性脱髄症候群を生じないよう,頻回の電解質モニターを行う.
▪本邦では異所性アルギニンバソプレシン(AVP)産生腫瘍の一部に,V2受容体拮抗薬mozavaptanの使用が認可されている.
© Nankodo Co., Ltd., 2019