今月の主題 呼吸不全の臨床
呼吸不全の概念と病態生理
睡眠時呼吸障害
金澤 修
1
,
高崎 雄司
1
,
山林 一
1
1東海大学医学部・第2内科
pp.740-741
発行日 1990年5月10日
Published Date 1990/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900182
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●睡眠時呼吸障害の概念について 睡眠時呼吸障害とは,睡眠中に認められるさまざまな異常呼吸により低酸素血症を引き起こすすべての病態を包括する概念である.具体的な異常呼吸として代表的なものに無呼吸があり,その他,低換気,不規則呼吸,周期性呼吸などの異常呼吸において睡眠時の動脈血酸素飽和度の低下(sleepdesaturation)が生じ,生体へ種々の悪影響を及ぼすことが問題となる.sleep desaturationの基準としては,覚醒時に比べ4%以上の睡眠時の動脈血酸素飽和度低下を異常とするWynneら1)の提案が一般に採用されている.
慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者でも動脈血酸素飽和度が覚醒時に比し睡眠時に低下することが知られ,また周期的な低下も観察されることから,その原因として,換気血流比の不均等分布だけでなく,無呼吸,低換気,周期性呼吸などの睡眠時呼吸障害が起因するものと考えられる.
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