睡眠呼吸障害

　近年話題となっている睡眠時無呼吸症候群（sleep apnea syndrome : SAS）を筆頭に，さまざまな病態に合併し，睡眠に伴って起こるあらゆる呼吸異常を呈する病態が，睡眠呼吸障害（sleep disordered breathing : SDB）である．したがって，SDBは決して稀な病態ではなく，少なくともその一部は，その睡眠障害や呼吸障害に対し治療が不可欠である．しかし一方で，SDBの治療開始基準や発生頻度などは残念ながら不明なところが少なくない現状である．

　本稿の目的はSDBに基づく睡眠障害の概説であるが，SDBをSASとそれ以外に分け，述べることにする．