特集 一般医家のための—DOAC時代の心房細動診療
心房細動の薬物治療と管理
ハイリスク症例にDOACをどう使う?
吉田 哲郎
1
1遠賀中間医師会おんが病院循環器内科
キーワード:
高齢・超高齢心房細動
,
抗凝固療法
,
大出血
,
腎機能障害
Keyword:
高齢・超高齢心房細動
,
抗凝固療法
,
大出血
,
腎機能障害
pp.2280-2284
発行日 2023年12月10日
Published Date 2023/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402229328
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Point
◎近年,日本人をデータベースとした高齢・超高齢心房細動における抗凝固療法の新たなエビデンスが報告された.
◎高齢・超高齢心房細動では塞栓症・大出血のリスクもいずれも高いことから,抗凝固療法における有効性と安全性のバランスをとることが困難になる.
◎Fushimi AFレジストリーより,2021年の段階で31%の心房細動患者において抗凝固薬非投与であった.これは出血リスクが高いと判断され,抗凝固薬投与が躊躇されたためと考えられる.
◎従来の抗凝固薬では出血リスクが懸念され抗凝固薬の投与ができなかったハイリスク症例に対して,新たな選択肢としてエドキサバン15 mg/日投与の有効性・安全性がELDERCARE-AF試験より報告された.特に重度腎機能障害において有用な選択肢となり得る.
◎エドキサバン15 mg/日であっても抗凝固療法を継続することが困難になるハイリスク症例も存在し,消化管出血がその判断基準として重要である.
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