特集 抗血栓療法のジレンマ—予防すべきは血栓か,出血か?
抗血栓療法に注意が必要な患者
透析患者,重度慢性腎臓病患者
大槻 尚男
1
,
山口 淳一
1
1東京女子医科大学循環器内科
pp.307-311
発行日 2019年2月10日
Published Date 2019/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402226049
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Point
◎透析患者や重度慢性腎臓病(CKD)患者は心血管イベントのハイリスク群である一方で,出血イベントについてもハイリスク群である.
◎透析患者において経皮的冠動脈インターベンション後の抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)期間を決定するにあたり,現在のガイドラインで推奨されているスコアリングシステムを用いることが妥当であるかは不明である.
◎透析患者が心房細動を合併した場合のワルファリンによる血栓塞栓症予防効果は一定の見解が得られていないが,出血性イベントを増加させるとの報告が多く,適応患者は限られる.
◎透析患者や重度CKD患者への直接経口抗凝固薬(DOAC)投与は現在のところ適応外であり,今後の検討が待たれる.
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