特集 便秘と慢性腎臓病・透析医療
4.慢性腎臓病・透析患者と便秘
間瀬 かおり
1
,
山縣 邦弘
1
1筑波大学医学医療系臨床医学域腎臓内科学
キーワード:
慢性腎臓病
,
便秘の有病率
,
QOL
,
腸内細菌叢
Keyword:
慢性腎臓病
,
便秘の有病率
,
QOL
,
腸内細菌叢
pp.351-356
発行日 2022年4月10日
Published Date 2022/4/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000002095
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
透析患者を含むCKD患者において,便秘はよくみられる消化器症状の一つであり,CKD患者のQOLを低下させ,生命予後を悪化させるといわれている.また,便秘を有している患者は,そうでない患者と比較してCKDや末期腎不全の発生率が有意に高くなり,eGFRの低下速度を早め,さらにより重症な患者ほどこれらのリスクが上昇すると報告されている.便秘によって患者のQOLは悪化するが,便秘の解消によりQOLが改善する可能性が指摘されている.便秘の治療,とくに腸内細菌叢の改善を念頭においた治療が,腎機能障害の進行抑制や透析患者における残腎機能保持に良い影響を及ぼす可能性があるといわれている.
Copyright © 2022, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.