特集 “認知症+併存疾患” アプローチの最前線
各併存疾患の対策と管理
慢性腎臓病と透析
山本 卓
1
1新潟大学医歯学総合病院 血液浄化療法部
キーワード:
慢性腎臓病
,
認知機能
,
血液透析
,
骨ミネラル代謝異常
,
ウレミックトキシン
Keyword:
慢性腎臓病
,
認知機能
,
血液透析
,
骨ミネラル代謝異常
,
ウレミックトキシン
pp.1311-1315
発行日 2022年6月1日
Published Date 2022/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika129_1311
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Summary
▪慢性腎臓病(CKD)は認知症の発症・進展の危険因子となる.
▪その原因として糸球体濾過量(GFR)の低下と蛋白尿以外に,ウレミックトキシンの蓄積や骨ミネラル代謝異常による脳血管性,変性性の変化が考えられている.
▪CKD以外にも脳血管に影響する古典的危険因子やAlzheimer型・Lewy小体型認知症など脳変性疾患も加わり,重症化する.
▪CKD患者の認知症に対して,一般的な認知症治療のほか,腎保護,血圧管理,骨ミネラル代謝・ウレミックトキシンの対応などCKD固有の病態に総合的にアプローチすると効果的であるかもしれない.
▪重度な認知症は腎代替療法の選択や透析療法の継続に大きく影響する.
© Nankodo Co., Ltd., 2022