増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集
微生物学的検査
細菌関連検査
溶連菌
辻 章志
1
1関西医科大学小児科学講座
pp.528-529
発行日 2015年4月1日
Published Date 2015/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402223371
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検査の概要
一般的に「溶連菌」感染症とは,A群β溶血性連鎖球菌(group A β-hemolytic streptococcus:GABHS)感染症のことを示す.GABHSの大部分はStreptococcus pyogenesである.他に,S. agalactiae, S. dysgalactiae subsp. equisimilis,anginosus groupなどがある.GABHS感染症を確定診断する方法として,抗原迅速検査と細菌培養検査がある.本項目では主に抗原迅速検査について記述する.
抗原迅速検査はGABHS抗体を用いたラテックス凝集法もしくはイムノクロマトグラフ法を原理として,咽頭粘液中のGABHS抗原を検出する.以前はラテックス凝集法が主流であったが,現在は検出感度や操作性,反応時間などで優位性があるイムノクロマトグラフ法が採用されている.代表的な抗原迅速検査キットを表1に示す.
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