今月の臨床 周産期の感染症―管理と対策
垂直感染の管理と対策
9.B群溶連菌
北中 孝司
1
,
原田 直哉
1
,
阪本 義晴
1
1奈良県立医科大学産科婦人科学教室
pp.72-75
発行日 2004年1月10日
Published Date 2004/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100501
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はじめに
新生児感染症のうち,B群溶連菌(Group B Streptococcus : GBS or Streptococcus agalactiae)による感染症は最も重篤な疾患の一つとして捉えられている.このGBSは,古くは1930年代に産褥感染症の起炎菌として報告された1)が,わが国では目黒2)が1976年に新生児GBS感染症例を報告した.特に,生後1週間以内に発症する早発型感染症では死亡率が50%にもみられる3)ことから,その発症予防が重要となる.ここでは,GBS感染症予防について当科における管理方針とそれにまつわる問題点を文献的考察を加えて述べてみたい.
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