増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集
微生物学的検査
感受性検査
薬剤感受性試験—MIC,ディスク法
大野 章
1
1東邦大学医学部微生物・感染症学講座
pp.522-527
発行日 2015年4月1日
Published Date 2015/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402223370
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感染症原因菌が同定され有効な抗菌薬が決定されるまでの間,通常,広域スペクトラムを有する抗菌薬が投与される(経験的治療:empiric therapy).臨床検査室の役割は,経験的治療から個別的治療へ切り替えるため,感染症原因菌を分離同定することと,薬剤感受性試験を行い原因菌の治療に有効な抗菌薬の情報を提供することにある.それにより効果の少ない抗菌薬の継続使用が回避でき,耐性菌出現の抑制や医療コストの軽減につながる.
検査室は原因菌同定結果と薬剤感受性試験結果を示すとともに,当該時期に問題となっている抗菌薬耐性菌に該当するならばその旨をコメントして報告する.担当臨床医はその情報を受け,治療薬候補となる抗菌薬について,それぞれの体内動態および組織移行性,副作用などを考慮し,最終的に治療薬を選択する.
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