増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集
内分泌学的検査
そのほかのホルモン
ANP(A型ナトリウム利尿ペプチド),BNP(NT-proBNP,B型ナトリウム利尿ペプチド)
石井 潤一
1
1藤田保健衛生大学医学部臨床検査科
pp.386-389
発行日 2015年4月1日
Published Date 2015/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402223320
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
検査の概要
A型ナトリウム利尿ペプチド(ANP)とB型ナトリウム利尿ペプチド(BNP)は心臓から分泌される心臓ホルモンである.グアニル酸シクラーゼ活性をもつ機能的受容体(NPR-A受容体)に結合し,ナトリウム利尿作用,血管拡張作用,レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系や交感神経系の抑性作用,さらに心臓局所では心筋肥大や心筋線維化の抑制作用などの生理作用を発揮する.
一方,N末端プロBNP(NT-proBNP)は76個のアミノ酸より構成されるペプチドである.BNPとNT-proBNPの生成は同じBNP遺伝子による.BNP遺伝子の転写・翻訳後,まずプロBNP(1-108)が生成される.プロBNPは心筋内で蛋白分解酵素corinによって,生理作用のあるBNP(77-108)と生理作用のないNT-proBNP(1-76)に分裂し,1:1の等モル比で血中に分泌される.
Copyright © 2015, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.