今月の主題 心不全診療の新たな展開
心不全に対する基礎的研究の進歩
ナトリウム利尿ペプチド(ANP,BNP)の臨床的意義
小川 佳宏
1
,
伊藤 裕
1
,
中尾 一和
1
1京都大学医学部第2内科
pp.1118-1120
発行日 1993年6月10日
Published Date 1993/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402902147
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●ANPとBNPは,強力な利尿,ナトリウム利尿および降圧作用を有し,主に心臓より分泌される心臓ホルモンとして作用する.
●ANPとBNPは,それぞれ心房・心室より分泌されるが,心不全患者の心室において両者の生合成・分泌は著しく亢進する.
●心不全患者における血中ANP・BNP濃度は重症度に比例して上昇し,それぞれ体液量,左心室機能の良い指標になる.
●ANPあるいはBNPを心不全患者に投与すると,いずれも左心室機能を改善し,心不全治療薬として有用である.
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