増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集
血液生化学検査など
電解質・微量金属・浸透圧
マグネシウム
大和 梓
1
,
竹内 靖博
1
1虎の門病院内分泌代謝科
pp.284-285
発行日 2015年4月1日
Published Date 2015/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402223282
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検査の概要
マグネシウム(Mg)は体内で4番目,細胞内で2番目に多い陽イオンである.細胞内における多くの酵素反応の活性化,蛋白合成および筋神経系の興奮伝達などに関与し,生体内の代謝調節や細胞機能の維持に重要である.体内Mg含有量は21〜28gであり50〜60%は骨に,20%は筋肉内に存在し細胞外液内に存在するのは1%に過ぎない.
Mg濃度の測定法として酵素法,色素法,原子吸光法が挙げられる.酵素法はイソクエン酸脱水素酵素などの酵素活性が検体中のMg濃度に依存することを利用し,酵素反応の生成物の吸光度の増加量より検体中のMg濃度を決定する方法で,特異性が高く多検体処理が可能である.色素法の1つであるキシリジルブルー法は,試料中のMgがアルカリ条件下においてキシリルアゾバイオレットと結合して赤色のキレート化合物を形成することを利用し,この吸光度よりMg濃度を測定する方法である.原子吸光法はMg濃度測定において最も正確な測定法である.
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