Japanese
English
特集 CKD-MBD ―進歩と革新
MBDとアウトカム
血清マグネシウム
Serum magnesium levels and clinical outcomes in CKD
坂口 悠介
1
,
岡 樹史
1
,
猪阪 善隆
1
SAKAGUCHI Yusuke
1
,
OKA Tatsufumi
1
,
ISAKA Yoshitaka
1
1大阪大学大学院医学系研究科腎臓内科学
キーワード:
Mg
,
低Mg血症
,
慢性腎臓病
,
透析
,
生命予後
,
骨折
,
イオン化Mg
Keyword:
Mg
,
低Mg血症
,
慢性腎臓病
,
透析
,
生命予後
,
骨折
,
イオン化Mg
pp.639-642
発行日 2025年5月25日
Published Date 2025/5/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001879
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Ⅰ CKD患者における低Mg血症の頻度と病態
1.CKD患者における低Mg血症の頻度
慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)が進行し,糸球体濾過量が低下すると高Mg血症の頻度が増加する。そのため,CKD患者がMg製剤を使用する際には,高Mg血症に留意すべきであることはいうまでもない。この教科書的事実とは一見矛盾するようであるが,CKD患者では低Mg血症も稀ではない。Okaらは,保存期CKD患者5,126例のさまざまな電解質異常の頻度を比較した横断研究において,低Mg血症(血清Mg濃度1.8 mg/dL未満)が最も高頻度に認められたことを報告している(図1)1)。興味深いことに,低Mg血症の頻度はCKD stageが進行してもほとんど減少せず,CKD stage G4・G5の約15%に低Mg血症が存在した。

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