今月の主題 電解質異常のすべて
電解質異常をみたとき
マグネシウム異常
吉田 政彦
1
,
大野 丞二
1
1順大・内科
pp.1496-1497
発行日 1976年11月10日
Published Date 1976/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206810
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生体内Mg
Mgは,生命維持に欠くことのできない金属イオンである.成人の総Mg含有量は1,800~2,300mEq,平均2,000mEqで,その約半分は骨組織に安定した形で存在し,残り半分は筋肉組織を中心に実質臓器や軟部組織内に分布している.筋肉組織のMg量は総Mg量の約20%が含まれており,Mgの供給源としての役割が大きく,Mg代謝異常に対してまず反応を示す.これらのexchangeable Mgは約3~4mEq/kg体重で,総Mg量の15%と考えられている1).細胞外液中には約30mEqしか存在せず,総Mg量中ごくわずかでしかない.細胞内液中には約29mEq/lの濃度であり,組織湿性重量当たりでは5~30mEq/kgで,臓器や組織によりその濃度が異なる.
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