特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第7集
血液生化学検査
血液ガス・電解質・微量金属
Mg(マグネシウム)
荒川 泰行
1
,
荒川 泰雄
1
1日本大学医学部消化器肝臓内科
pp.282-285
発行日 2005年11月30日
Published Date 2005/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402101802
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Mgは,生体内では,カルシウム(Ca),ナトリウム(Na),カリウム(K)についで4番目に多い陽イオン金属で,細胞内ではKについで2番目に多い.体重70kgの成人の体内には約800~1,200mmol(20~28g)のMgが存在するが,そのうち60~65%が骨中に,27%が筋肉中に,6~7%がその他組織中に,そして残りの1%が細胞外液に存在する.したがって,臓器分布では,骨および筋肉のほか,代謝活性の高い脳・神経組織および心筋,肝臓,消化管,腎臓,外分泌および内分泌腺,リンパ組織などに多い.
Mgは種々の代謝の基本的反応の必須イオンとして重要な役割を果たしているが,それは300種類以上の酵素がその活性化にMgを必要とする点にある.特に,リン酸伝達反応とATPが関与する酵素反応にMgがアクチベータとして必須であることより,細胞膜機能,アミノ酸の活性化,DNA合成,蛋白質合成,酸化的リン酸化,筋収縮,赤血球と血小板の形態保持など細胞レベルのエネルギー代謝に不可欠である.
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