特集 ウイルス肝炎の薬物治療—変わりゆく治療戦略
ここまで変わったウイルス肝炎の治療
【B型慢性肝炎】
B型慢性肝炎に対する核酸アナログ治療
松本 晶博
1
1信州大学医学部消化器内科
pp.277-281
発行日 2015年2月10日
Published Date 2015/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402223104
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ポイント
●核酸アナログ治療は,B型肝炎ウイルス(HBV)-DNA量を低下させ,肝炎を沈静化させることができる.
●核酸アナログは逆転写酵素阻害薬であるため,HBVそのものの増殖には影響を及ぼさない.治療中のHBVの増殖能はHBs抗原(HBsAg)量やHBコア関連抗原(HBcrAg)量の測定により知ることができる.
●核酸アナログ治療により肝細胞癌の発症率を低下させることができるが,肝硬変症例に対してはその効果は限定的である.
●核酸アナログ治療中止時のHBcrAg量やHBsAg量の低い例では,核酸アナログを中止しても,肝炎の再燃は低率である.
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