特集 ウイルス肝炎の薬物治療—変わりゆく治療戦略
ここまで変わったウイルス肝炎の治療
【B型慢性肝炎】
B型肝炎に対するペグインターフェロン治療
黒崎 雅之
1
1武蔵野赤十字病院消化器科
pp.272-276
発行日 2015年2月10日
Published Date 2015/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402223103
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ポイント
●核酸アナログ製剤は長期継続投与することで初めて持続的にB型肝炎ウイルス(HBV)の増殖を抑制できる維持療法であるのに対し,免疫賦活作用のあるペグインターフェロン(Peg-IFN)では期間限定の治療によりdrug freeで持続的な効果が得られる.
●Peg-IFN治療反応例では投与終了後も治療効果が持続し,長期経過の後にHBs抗原が高率に陰性化する.
●日本肝臓学会のB型肝炎治療ガイドラインでは,Peg-IFNを第一に検討すべき治療として推奨している.
●Peg-IFNでは,従来型IFNの治療効果が不良とされてきたgenotype C,高齢,線維化進行に対しても有効性が向上した.
●免疫反応がウイルス感染細胞の排除に働いている時期,すなわちHBV-DNAが低値でALTが高値の時期にPeg-IFN治療を行うと,治療効果が増強する.
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