増刊号 診断基準とその使い方
VIII.膠原病・免疫・アレルギー
16.偽痛風
赤岡 家雄
1
,
山内 俊一
1
,
金子 希代子
1
,
藤森 新
1
1帝京大学医学部・第2内科
pp.2119
発行日 1988年9月30日
Published Date 1988/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222018
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偽痛風(関節軟骨石灰化症,またはピロリン酸カルシウム結晶沈着症)の最も新しい診断基準は表1に示した1).一般に結晶性関節炎(crystal deposition disease)とよばれる疾患はいくつかあるが,その第1が痛風で,第2が偽痛風である.
本疾患は関節の線維軟骨を中心にピロリン酸カルシウム・二水化物(calcium pyrophosphate dihydrate;CPPDと略)が沈着して多発性石灰化症を起こす1つの全身性疾患である.本症は,①遺伝性,②特発性,③代謝疾患に随伴する二次性のものがある.発症頻度は成人の約5%と推定され,60歳以上の高齢者に多い.本邦の一地区での住民検診では緒方によれば300名で,加齢とともにCPPD結晶沈着症は増加し,90歳以上では40%に認められるという2).一方,遺伝性のものは若年性のものが多い.
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