特集 こんなところも!“ちょいあて”エコー—POCUSお役立ちTips!
【@外来】
❷関節×エコー—痛風、偽痛風
安本 有佑
1
1板橋中央総合病院 総合診療内科
キーワード:
結晶性関節炎
,
痛風関節炎
,
痛風
,
偽痛風
,
関節エコー検査
,
エコーガイド下関節穿刺
Keyword:
結晶性関節炎
,
痛風関節炎
,
痛風
,
偽痛風
,
関節エコー検査
,
エコーガイド下関節穿刺
pp.926-929
発行日 2022年8月15日
Published Date 2022/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429203843
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結晶性関節炎
結晶性関節炎とは、関節内や関節周囲の腱付着部、滑液包などに沈着した結晶に関連した炎症である。その代表例として、尿酸ナトリウム(monosodium urate: MSU)による痛風関節炎、ピロリン酸カルシウム(calcium pyrophosphate: CPP)による偽痛風が挙げられ、本稿ではこれら2つについて取り扱う。いずれも緊急度の高い疾患ではないが、鑑別が必要な化膿性関節炎などは迅速な診断および治療が望ましいため、適切な診断が必要である。
原則として、それぞれ診断の確定には関節液の顕微鏡検査が必要である。しかし、たとえ結晶が鏡検で見えたとしても、約5%で化膿性関節炎が合併することも報告されており、病歴、身体所見、その他の検査を含めた総合的な判断が必要である1)。忙しい外来のなかで診断を確定させることは難しいかもしれないが、エコーを“ちょいあて”することで、その後のスムースなマネジメントにつなげたい。
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