認定医講座
痛風・偽痛風
西岡 淳一
1
1滋賀医科大学整形外科
pp.1305-1311
発行日 1989年11月25日
Published Date 1989/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908226
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痛風および偽痛風は結晶誘導性関節炎として知られる疾患で突然の関節の腫れと激しい疼痛を特徴とする疾患である.痛風は尿酸結晶が,偽痛風はピロリン酸カルシウムの結晶が関節軟骨や関節周辺の軟部組織に沈着する際に誘発される急性炎症で,いずれも基礎にそれぞれの結晶の代謝障害を有している.痛風,偽痛風のいずれも結晶が免疫グロブリン(IgG)と結合し,この結合体が好中球のFcリセプターと結合して貪食され,プロスタグランヂンやリゾゾーム酵素,インターリューキン1などの放出を促して初期の炎症が始まる8).また関節滑膜細胞にも同様に働いて結晶誘導性の滑膜炎を引き起こす.臨床症状や診断,治療に関して痛風と偽痛風との間で多少違いがあるので個々に解説する.
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