増刊号 診断基準とその使い方
VII.血液
6.鉄欠乏症と鉄過剰症
内田 立身
1
1福島県立医科大学・第2内科
pp.2014-2015
発行日 1988年9月30日
Published Date 1988/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221985
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■鉄欠乏症の概念と疫学
生体の鉄は正常人で総量3,000〜5,000mgあり,うち約65%がヘモグロビン鉄,約30%が貯蔵鉄,他に消化管上皮や爪などの組織鉄,血清中のトランスフェリン結合鉄,酵素などに存在する微量の鉄に大別される.鉄欠乏状態を来すと,まず貯蔵鉄の減少を来し(貯蔵鉄欠乏),ついで貯蔵鉄,血清鉄が減少し貧血には至らないが鉄欠乏の潜んだ状態(潜在性鉄欠乏)となり最終的には鉄欠乏性貧血となる.
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