今月の主題 カルシウム代謝と骨
骨粗鬆症
退行期骨粗鬆症の治療
折茂 肇
1
1東京大学医学部・老年医学
pp.1552-1558
発行日 1988年9月10日
Published Date 1988/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221841
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退行期骨粗鬆症は閉経後の女性および老人に多い疾患で,骨量の減少およびそれに基づく腰背痛,骨折などを主症状とする一つの症候群である.この疾患は骨吸収と骨形成のuncouplingにより発症するもので,その病因としては加齢および加齢と関係の深い種々の要因,遺伝的素因,内分泌因子,運動不足,Ca欠乏症などの栄養因子の関与が考えられている.本症は,最近の老年人口の急激な増加に伴い,その対策が医療のみならず社会問題としても注目されつつある.本症の対策上最も重要なことはその予防であり,次が治療である.本症の治療の目的は2つあり,その第1は骨量の減少を防止しそれによる骨折を防止することであり,第2は腰背痛の改善をはかることにある.
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