増刊号 これだけは知っておきたい薬の使い方
Ⅴ 消化器疾患治療薬
消化性潰瘍および類縁疾患
126.胃酸分泌抑制薬の使い方
谷 礼夫
1
1東海大学医学部・内科6
pp.2062-2065
発行日 1987年9月30日
Published Date 1987/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221246
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"no acid,no ulcer"というSchwarz(1910)の言葉は,今日なお名言としてしばしば引き合いに出される言葉であるが,消化性潰瘍の成因における酸(胃酸)の役割の重要性は今さら申すまでもないことであり,酸を抑えることによって粘膜の再生が行われやすい状況が作り出されると同時に,自覚症状の消失がもたらされる.このため酸を抑えることは,古くから消化性潰瘍の治療の中心となってきた.
1940年頃まではすでに出てしまった酸を抑える(中和する)制酸薬が中心であったが,その後は酸の分泌を抑制するほうが効果的であろうとの考えから,酸分泌抑制薬が開発されるようになった.
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