胃酸分泌抑制療法-その歴史的変遷と現状、今後の課題
胃酸分泌抑制薬による治療の現状 消化性潰瘍
佐藤 貴一
1
1国際医療福祉大学病院 消化器内科
キーワード:
ヘリコバクター感染症
,
Helicobacter pylori
,
Prostaglandins
,
胃酸
,
消化性潰瘍
,
多剤併用療法
,
非ステロイド系抗炎症剤
,
診療ガイドライン
,
Proton Pump Inhibitors
,
維持化学療法
Keyword:
Anti-Inflammatory Agents, Non-Steroidal
,
Drug Therapy, Combination
,
Gastric Acid
,
Peptic Ulcer
,
Prostaglandins
,
Helicobacter pylori
,
Helicobacter Infections
,
Practice Guidelines as Topic
,
Proton Pump Inhibitors
,
Maintenance Chemotherapy
pp.177-184
発行日 2017年1月20日
Published Date 2017/1/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2017115893
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日本消化器病学会は,2015年に「消化性潰瘍診療ガイドライン2015」を発刊した.そのなかで,酸分泌抑制薬を用いた治療の推奨が示されている.H.pylori陽性潰瘍だが除菌治療の適用がない症例,および,非H.pylori・非NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)潰瘍では,除菌によらない治療を行う.非除菌治療の初期治療では,胃潰瘍でも十二指腸潰瘍でも,効果がもっとも高いプロトンポンプ阻害薬(PPI)を第一選択薬とする.初期治療後の潰瘍再発抑制には,維持療法をH2受容体拮抗薬などを用いて行う.NSAIDs潰瘍は,NSAIDsの中止が不可能ならば,PPIかプロスタグランジン製剤を用いて治療を行う.低用量アスピリン(LDA)潰瘍では,LDAはできるだけ休薬せずに,PPIを用いて治療する.
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