胃酸分泌抑制療法-その歴史的変遷と現状、今後の課題
胃酸分泌抑制薬による治療の現状 逆流性食道炎
星野 慎太朗
1
,
川見 典之
,
岩切 勝彦
1日本医科大学 消化器内科学
キーワード:
Histamine H2 Antagonists
,
胃酸
,
食道炎-逆流性
,
Proton Pump Inhibitors
,
下部食道括約筋
,
生活指導
,
Vonoprazan
Keyword:
Gastric Acid
,
Esophagitis, Peptic
,
Histamine H2 Antagonists
,
Esophageal Sphincter, Lower
,
Proton Pump Inhibitors
,
1-(5-(2-fluorophenyl)-1-(pyridin-3-ylsulfonyl)-1H-pyrrol-3-yl)-N-methylmethanamine
pp.199-204
発行日 2017年1月20日
Published Date 2017/1/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2017115896
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逆流性食道炎は食道内の過剰な酸曝露により発症することから,食道内酸曝露時間を正常にすることにより粘膜傷害は治癒する.逆流性食道炎治療の第一選択薬は「胃食道逆流症(GERD)診療ガイドライン2015」でも推奨されている標準量のプロトンポンプ阻害薬(PPI)である.標準量のPPIを8週間内服することにより,軽症逆流性食道炎患者では約90%,重症逆流性食道炎では80~85%の内視鏡的治癒が得られると報告されていたが,近年,標準量PPI抵抗性の逆流性食道炎患者が増加している.標準量のPPIにより十分な効果が得られない場合の対応として,生活習慣の見直し,PPIの変更,投与方法(夕食前投与),投与量(倍量分割投与)の変更が有効であることがある.また2015年にはカリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)が臨床導入された.P-CABの特徴(酸抑制効果が迅速,強力)を生かした,逆流性食道炎治療法の確立が望まれる.
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